Archive of posts from 2011-5
— [映画] 『カールじいさんの空飛ぶ家 [DVD]』セリフのないシーンの演出はさすがピクサーと思わせる一方で、設定についてはめちゃくちゃ。でも、めちゃくちゃな設定を、あそこまでうまくまとめたのは本当に凄い。まあ、めちゃくちゃには変わりないんだけど。
特典映像を見ると、マンツのラストにいろいろと悩んだみたいだけど、このラストは本当に微妙。しっかりとした物語になってないと思う。長年の思いをくつがえす程の「何か」がコレっぽっちも見つからない。それは主人公にしたって同じだ。全体的に子供のわがまましか示せていない。その結果、年寄りが歩んできた歴史が軽視されていると思う。そこまでして描きたかった何かが本当にあっただろうか。物語としてはあまり好きじゃない映画だった。
一方、短編映画の「晴れ ときどき くもり」は素晴らしい。 「ダグの特別な1日」もこれぞピクサーという最高の出来。
特典映像には他にも「南米ベネズエラ冒険記」も入っていて、これもまたすごいんだ。実際に現場に行って、匂い・雰囲気・風などを直接感じて、植物を口にして、手でイラストを描いてみる。ピクサーはここまでやるのかという感じ。
— [本] 『仕事は1日30分! ―お金と時間を増やすドラクエ流成功法』受託開発やコンサルだと「仕事の貯金」ができないので年とったらしんどい。
パッケージソフトを開発したりECを始めたり教材を売ったり本を書いたりするなど、
「仕事の仕組み」を作れば、1日30分程度の労働で楽になれる……はず。
あとは、ECサイトの作り方とか不動産投資するとかライフハック的なのとか。
名前につられて読んでみたけど、平凡な内容で、『なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?』をパクってるかなという感じ。
で、仕組みづくりは、時流や個人の置かれた状況によって違うので、原則を理解することが大切。
本を10冊読む→セミナーや勉強会に出席→仲間を作る→実践する→実践結果を情報発信する→以上を再投資しながら繰り返す。
これをタイトルにある「ドラクエ流成功法」と呼ぶそうな。情報発信のどこがドラクエなのか謎だけど、本を書いて「情報発信」すると人生のレベルが上がるそうだ。やはり著書じゃないとダメかもね。
— [映画] 『グライド・イン・ブルー [DVD]』いわゆるアメリカンニューシネマかな。でも負の感情に満ちあふれていない。とことん正義。
— [映画] 『柔道龍虎房 [DVD]』先日、シネ通で成海璃子先生がオススメしていたので見てみた。ジョニー・トー監督だしね。
黒澤監督の「姿三四郎」オマージュの柔道映画……なんだけど、それって柔道か?って感じだし、いまいち話もよくわからん。でも、そこに愛が感じられるからOKなのである。
特典映像に監督のインタビューが入っているんだけど、自分の思いとは関係なくやってくる世界との折り合いをどのようにつけていくのか、ということを常に意識して映画を作っているそうだ。であるならば、ここに明確な敵が存在しないことも納得できる。常に動き続ける周囲の世界に対して、どのように変われるかという自分との戦いなのだな。
ちなみに成海璃子先生は、3人の肩車のシーンがよかったとおっしゃっていた。う、うーんw
— [映画] 『仮面ライダーW(ダブル) RETURNS 仮面ライダーアクセル [DVD]』いやーアクションが最高だった。生身の照井竜のアクションもかっこいいし、刃野さんのジャッキーオマージュもよかった。メイキングに監督自身の殺陣が映っているんだけど、アクション監督兼任だけあって本当にかっこいい。アクションに力が入れてあるのが納得できる。人柄もよさそうだしね。次回の「仮面ライダーエターナル」も同じ監督なのでこちらも楽しみだ。
それからコメディシーンもいい。照井竜の新しい魅力が引き出されているし、なにより「仮面ライダーW」という作品の現場の雰囲気の良さがよく伝わる。
たーだーし、ストーリーがダメだ。大枠の設定は目をつぶるにしても、いちいち展開がおかしいし、セリフなんかもいつの時代だみたいなことを平気で口にする。脚本がぜんぜん推敲されていないんじゃないのかな。本編でも長谷川圭一さんの脚本のときだけ変だったし。うーん。
— [本] 『安心社会から信頼社会へ: 日本型システムの行方 (中公新書 1479)』文章がつまんないし読みにくい。いくつか実験やってるけど、そこから導きだす結論もよくわからん。
が、内容はそれなりにおもしろいことを言っている。まとめるとこんな感じか。
- 相手に対する能力(やれるかどうか)の問題は扱わない。信頼(やってくれるかどうか)の問題だけを扱う。
- 信頼には、自分がリスクを伴うかもしれない「信頼」と、相手に罰則を与えて成り立つ「安心」がある。たとえば、三蔵法師と孫悟空の関係は「安心」関係である。
- 「信頼」を築くにはコミットメント関係を成立させることになる。
- コミットメント関係は、他への「乗り換えコスト」と「機会費用」のバランス。
- コミットメント関係では、関係性検知の社会的知性(社内政治みたいなこと)が必要。ここが面倒なところで、信頼関係を築こうとした結果、安心関係を築いてしまう。
- ただし、機会費用の高い社会システムでは、コミットメント関係を築くよりも、人間性検知の社会的知性(相手を見抜く)を高めるほうが重要になる。こちらの方向に社会が進んでいくのがいいのではないか。
ゴムとコメの話がわかりやすかった。ゴムは品質が判別しにくいので長年のお付き合い(コミットメント関係)で取引をする。しかし、コメは見れば品質が判別できるので、相手を決めずに自由に取引できる(ピーター・コロックの説)。
で、日本は集団主義でコミットメント関係を築いているから、集団内部に対しては「安心」を感じるが、集団外部に対する「信頼」を持っていない。これからは欧米のように「信頼社会」へと移行するべき。という感じにしてるんだけど、何を言ってんだろうか。まあ、コメの目利きになれということだろうけど、なんだかな。
— [映画] 『アメリカン・ニューシネマ-反逆と再生のハリウッド史 [DVD]』60年代におけるハリウッド大手プロダクションの終焉と、ヨーロッパ(ゴダール・フェリーニ・トリュフォー・ヴィスコンティなど)および日本(黒澤・小津)の映画作品からの影響、ベトナム戦争やウォーターゲート事件を契機とした政治不信、そして社会的マイノリティの台頭。
こうした背景を裏付けとした監督の作家性が重要視された作品群。これが70年代の「アメリカン・ニューシネマ」と呼ばれる。そしてこのDVDは、それが手短にわかるドキュメンタリー。すべての作品を網羅しているわけではないので、あとは自分で勉強することになるが、だいたいの流れがわかるだけでも大変勉強になる。
アメリカン・ニューシネマは、80年代の「ロッキー」「ジョーズ」「スターウォーズ」などの「わかりやすい」映画の成功によって終焉を迎える。政治や社会の問題点を扱う作家的な作品は、「映画のなかでまで難しいことを考えたくない」という観客に敬遠されていく。つまり、作家性よりもエンターテイメント性(あるいはビジネス性)が求められるようになったのだ。
しかしながら、この作品の登場人物たちは口をそろえて、監督が自分の言いたいことを言える環境はこれからも残していかなければならないと言う。たとえば、フランシス・フォード・コッポラ監督はジョージ・ルーカス監督を指して、「スターウォーズを撮り終えたなら、彼は作家性のある作品を作るだろう」と予言している。
この話題については、町山智浩著『映画の見方がわかる本』も参考にしたい。
— [映画] 『【東宝特撮Blu-rayセレクションフランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』うーんwww
— [映画] 『グッドナイト&グッドラック 通常版 [DVD]』町山さんがこんなことを言っていたので見てみた。
デュープロセスを無視したマッカーシズムに対して、エドワード・R・マローが批判するという内容。批判すると、マロー自身に対する根拠のない反論(あいつも赤だ!!)をしてくる。ここが町山さんの言う「今回の件」と同じということだろう。マローはそれに対しても冷静に対応する。
最終的にこのことを契機にマッカーシズムは終焉を迎える。しかし、番組は成果を達成したもかかわらず、制作費がかかりすぎる・クイズ番組のほうが視聴率がとれるなどの理由から、スタッフの削減・放送時間の変更を余儀なくされる。マローは、TVは単なる娯楽を流すだけの「ハコ」でいいのかと疑問を投げかける。
だいたいこんな感じ。映画としては退屈だし難しいよ!! 教訓があるとすれば、信念を持つことと、基本的なプロセスを守りながら淡々と批判・反論を繰り広げるということか。
— [映画] ザ・ファイターなんという王道プロレス。いや、王道ボクシングか。何のひねりもない直球勝負のストーリーながら、普通に素晴らしく、普通に感動する名作。家族のクズっぷりがスゲエぜ!!
— [映画] ブラック・スワンあーこわかった。ホラーじゃんかこれ。ビックリした。
ホラーなのでストーリーは無い。が、その代わり、その他の部分がめちゃくちゃすごい。音響がすごい(こわい)。手持ちカメラがすごい(こわい)。バレエが普通にすごい。オナニーしてハッとなってバッとなるところとかがイイ!(まあ、見ないとわからないね)つーか、やっぱナタリー・ポートマン先生の胸ポッチとオナニーの迫真の演技だよ。最大の見どころは。これだけでも観る価値があるね!
ホラーを見慣れていないので、終始ドキドキドキドキして、観終わったらガックリ疲れた。
なお、「パーフェクトブルー」との類似性も指摘されているみたいだけど、とりたてて言うほどの度合いでもないと思った。印象はぜんぜん違う。
— [本] 『無銭ひとり散歩: お金をかけずに東京珍スポット見物!』底辺の人間の生活を悪意を持って描写しているのが……素敵です。さすがなめ子先生。クーロン黒沢の描くアジア街の描写かと思うほど下流社会っぷりがハンパないです。
家庭のイルミネーションでディズニーランドの代わりにする人・下流漫画喫茶の吹き溜まり・ROUND1スポッチャの不健全さ・繁殖家族ご愛用のすたみな太郎・10円カレーに行列する人・区役所で食堂で負のオーラを放つオッサンたち・「あなた大人ですか?マナーを守りましょう」という激安飲み屋の張り紙・歌舞伎町のガム取りなどなど、日本おわった感がよく伝わります。
— [映画] 『ロンゲスト・ヤード コレクターズ・エディション [DVD]』オリジナルの主役バート・レイノルズがコーチ役で出演。
それから、ボブ・サップなどのプロレスラーが登場してる。
でも、それだけかなあ。割とダメな感じ。
— [映画] 『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]』「ブルーバレンタイン」の感想でよく引き合いに出されているので観てみた。2人の関係性は似ているけどテーマはちょっと違うなあ。ブルーバレンタインは「現在との折り合いのつけ方」であるのに対し、この作品は目線が未来に向けられていて、現在の「否定」になっている。言い換えれば、終わりなき日常に絶望する話だ。ウォッチメンのコメディアンのように「狂気の時代に生きる知恵者」になれるかどうかがポイントだと言える。なので、テーマとしては古くさいかなあ。50年代の話なので仕方ないけど。
あの「タイタニック」のレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが「壊れかけの夫婦」を演じるというのがおもしろい。タイタニックの2人もこうやって破綻するんだろうなということを予感させる。それにしても、ケイト・ウィンスレットはブルーレイだとしわくちゃだよ!
— [映画] 『スローターハウス5 [DVD]』あーこれは映画を見るだけじゃよくわかんないや。ドクターマンハッタン的な。
— [映画] 『続・激突!カージャック [DVD]』タイトルからしてボンクラ映画かと思ってたら、普通にいい映画だった。カージャックの実話を元にしたロードムービー。「ダメ人間だけどイイヤツ」がすげーうまく描けている。あとから気づいたけど、監督がスピルバーグなのか! そりゃおもしろいはずだ。