Archive of posts from yyyy-07-28
— [映画] 『サンセット大通り スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]』「L.A.ノワール」と「マルホランド・ドライブ」の共通点ということで鑑賞。
お話としては特に大どんでん返しもなく、サイレント映画時代の元大女優だったイカれたババアをずっと見続けてそのまま終わる。主人公の男性の視点しかないので、特にババアへの共感もなく、まったく気持ち悪いなぁ……という感想しかない。ちゃんちゃん。
で、Wikipediaを読んでみると、そのイカれたババアは、本当にサイレント映画時代の大女優なのだそうだ(グロリア・スワンソン)。その他にも、セシル・B・デミル監督、エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督、喜劇王バスター・キートンなんかが、本人役または本人に準ずる役で登場していて、まるで現実と映画の区別がつかないような描かれ方になっている。
ああ、これがノアール映画なのかと。そして、マルホランド・ドライブが描いたテーマじゃないかと。設定や背景などをいろいろひっくるめてみると、すんげーおもしろいことになってんだなあ。あるいは「ブラック・スワン」でもあるな。
— [映画] 『第8作 男はつらいよ 寅次郎恋歌 HDリマスター版 [DVD]』これで森川信のおいちゃんが終わり。名役者だけに感慨深い。
また、立川志らく師匠によれば、本作で志村喬から学んだ「人間らしい生活」を契機に寅さんのヤクザらしさが薄れていくそうだ。そういう意味でも、本作は第1のターニングポイントと言えるだろう。
ただしこれらは、後から考えるとそうかもしれない、というだけで、作品自体はいびつな感じがする。たとえば、葬式で常識はずれな振る舞いをするところなどは、精神か知能に障害があるんじゃないかと疑うほどだ。散歩先生の葬式ではちゃんとやってたのに、なんだそれ。
寅さんというのは、「ある意味では正しいけど、それを言ったら身も蓋もない」ことを敢えて言うところに「正義」があるのであって、常識はずれのベロベロバーをする人間として描いてはいけないんだ。
それとは別に、志村喬と満男の出会いが泣ける。
— 町山さんの「でもやるんだよ」
TOPPOINT 2008.8より
- 中国人の付き合い方は2種類。身内に対する「儒教」と外部に対する「兵法」である。
- 兵法36計には次のようなものがある。
- 世間をだましてうまく逃げる
- こちらは休んで敵が疲れるのを待つ
- 嘘をでっちあげる
- 敵の目を別の場所に向ける
- 不慣れな環境に誘い出して攻める
- 敵を閉じ込めて捕らえる
- 関係が近くなると警戒する
- 兵法に対応するにはこちらも兵法を使うといい
- あるいは、身内となり儒教的扱いを受けるといい
古谷実作品の分析は面白かったなあ。あとの内容はどうでもいいようなことなんだけど、言ってることは信頼できると感じた。面白かった。
著者にはオタク文化方面(ラノベ含む)に行かないで、
サブカルとかネットウヨとか、あのへんを中心に扱ってもらいたいなー。
あ、そうそう。「裏セカイ系」ってのはハルヒもそう?
— [映画] 『博士の愛した数式 [DVD]』原作読んでないのでよく知らないんだが、
80分しか記憶が続かないという設定に意味あんのかこれ。
なくねーか。
正直、全体的になんかキモい。言葉遣いがダメなのかなあ。でも、80年代な雰囲気(服や家具)には萌える。80年代いいよね80年代。80年代カワユス。80年代と結婚したい。80年代に巻きつつ巻きつかれたい。くるくる。あぁぁぁぁ、じゃあ、あの言葉遣いも80年代なのか!(くーん)
今は『フェルマーの最終定理 (新潮文庫)』を読んでいて、友愛数とか完全数とかオイラーとか(愛した数式とはオイラーの公式なのでした)、ちょうど読んでいるところと映画の内容とがリンクしてる感じがして、興味深かったです。
— [本] 『人生に奇跡を起こすノ-ト術』マインドマップ自体は嫌いじゃないんだ。でもこの本はトンデモ本じゃねー?……そう言って売り飛ばしたんだけど、今になってまた気になりだしたので改めて買いなおしてみた。我流で描いていては、ちゃんと機能しとるかよー分からんしね。
で、読み始めて、前回よりも素直に読めるようになっている自分に驚いた。まあ、怪しいっちゃあ怪しいんだけど、それよりもマインドマップをうまく描きたいという欲求が勝ってたみたい。
で、肝となるのは、p.54 にある、どのノートを使えばいちばん講義内容を覚えていられるか?というところじゃないかと思ったのだ。
どのノートを使えばいちばん講義内容を覚えていられるか?
- 講義内容をほぼ完璧に書き写したノートを与えられたケース
- 講義内容をほぼ完璧に書き写したノートを自分で作ったケース
- 講義内容の要約を記したノートを与えられたケース
- 講義内容の要約を記したノートを自分で作ったケース
- キーワードを記したノートを与えられたケース
- キーワードを記したノートを自分で作ったケース
答えは…
(6)。なぜなら、脳には補完しようとする働きがあるから。
「話があるんだけどさあ……ええと……ええと……」
こんなとき、「はよ続き言え!」ってなるのは、この補完しようとする働きのため。何らかのきっかけがあり、それが不完全な形であれば、脳は続きを求めようとする。これを使ったのが、キーワードによるノート術。
なるほどー。これは20:80の法則とかゆって言い換えられることもあるけど、そんな一般的な言葉にいちいち言い換える必要もなかろう。こんなのがあるよーってことだけ認識すればいい。これを認識すると、マインドマップはシンプルになっていく。ノート量が減るっていううたい文句もあながち間違いじゃない。
マインドマッピングに関しては、Wikipediaが詳しかったのでリンクしとく。
— [映画] BLACK EMPEROR/柳町光男映画じゃないんだけどね。
ええと、新宿を中心に活動する珍走団「黒い皇帝 - BLACK EMPEROR」(ひらがな入ってるのが笑える)の生の生態を描いた動物奇想天外。あ、違うか。ドキュメンタリーです。
日曜日にやってるフジテレビでやってる『ノンフィクション』みたいな感じっていえばいいでしょうか。でもあれは、カメラマンの目線が常にあるでしょう? だけどこれは違う。本当に「野生の姿」なのだ(…野生?)。
最初のほうに息子と母親の会話のシーンがあるんだけど、これがすげーリアル。明日、家庭裁判所に行くっていう前夜、息子は「何て言う気?」とちと心配気味。対して母親は「毎晩泣いてるのよ」と言いながら内職。なんか、紙折ってんの。なにそれ。んで、そこで父親の後ろ姿のショット。無言です。何も言いません。
すげー。教科書的な「家庭」だ。
なんの演技もない、まさしく「息子」といった言葉遣いに、まさしく「母親」といった言葉遣い(松ちゃんがやるおかんみたいな)に、そして象徴としての「親父」。リアルっていいですねえ。笑えます。
例によってバイクで珍走するわけだが、立ち止まっては壁にペンキで「死ね」とか書いてるの。やっぱりひらがなかよと。かっこわるいこと甚だしい。しかもまだ70年代の作品だけあってか、まだぜんぜん珍走団の様相を呈してないんです。みんな、「普段着でバイク」(笑)。
いやー、貴重な歴史の資料なんじゃないでしょうか。日本が戦後から回復してきて、バイクキター!ってなって、若者でも手に入るようになって、だんだんとああなっていったんでしょう。興味深いです。
ただ、全体的にダルいので、ぜんぶ見るもんじゃないな。ぼくもちょっとだけ見てヤメました。アホになる。こんなん見てたら。