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[映画] 『第11作 男はつらいよ 寅次郎忘れな草 HDリマスター版 [DVD]』

これから先は作品を選んで観ていきたいと思います。寅さんをシーケンシャルに見るには人生はあまりにも短いのです(なんてね)。

本作は伝説のマドンナ「リリー」(浅丘ルリ子)との出会い。なので必見の作品です。「堅気じゃない職業」のマドンナには100%モテている説により、リリーに気に入られる寅さん。「自分より非常識な人」を見る寅さんの行動は大変興味深いものがありました。

寅さん記念館に行ってきた

楽しすぎる!! なかでも「男はつらいよ ビギンズナイト」の可動式ジオラマ5本は必見!! でも、ジオラマは適当に作られてる感じはしたかもなあ。たとえば、さくらが「おはじき」を渡したのに「お小遣い」を渡したと言っていたり、初期には無いはずの佐藤蛾次郎にヒゲがついていたり。それでも楽しいけど!!

俺くらいになると名人コースのクイズも全問正解

[本] 『因果鉄道の旅』

昨日の町山さんの話を聞いて、「でもやるんだよ」の原典を入手。単行本を注文してしまったけど、もう『因果鉄道の旅 (幻冬舎文庫 ね 1-1)』そうな。

なんというか、これも一種の人間賛歌なんだろうなあ。面白い人間に出会ったら、グッと懐に入って、インタビューしたり、録音したり、資料を取り寄せたり、記録にまとめたり。

そういうことが出来ないから自分はダメなんだろうなあ。遠くで見てるだけじゃ面白くないもんなあ。ただ、最近ずっと寅さんを見ているからか、ぶっ飛んだ人物の描写を読んでも、さほどビックリしないなーと思ったw

「いいか、俺はね、毎日1日に2回エサをやるけど、エサが終わると全部いちいちこうやって洗ってるんだよ、ぴかぴかに。でもわざわざこんなの洗剤使ってゴシゴシ擦る必要ないんだよ。水でちゃちゃっちゃっとやりゃあ、それでいいんだよ。な、こんな事無駄な事だと思うだろう」「え、いやまあ」「そうだよ、無駄な事なんだよ」で、次にドスの効いた大きな声で「でもやるんだよ!

1993年刊かあ。今まで読んでいなかったのが悔やまれる。

町山さんの「でもやるんだよ」

[映画] 『第8作 男はつらいよ 寅次郎恋歌 HDリマスター版 [DVD]』

これで森川信のおいちゃんが終わり。名役者だけに感慨深い。

また、立川志らく師匠によれば、本作で志村喬から学んだ「人間らしい生活」を契機に寅さんのヤクザらしさが薄れていくそうだ。そういう意味でも、本作は第1のターニングポイントと言えるだろう。

ただしこれらは、後から考えるとそうかもしれない、というだけで、作品自体はいびつな感じがする。たとえば、葬式で常識はずれな振る舞いをするところなどは、精神か知能に障害があるんじゃないかと疑うほどだ。散歩先生の葬式ではちゃんとやってたのに、なんだそれ。

寅さんというのは、「ある意味では正しいけど、それを言ったら身も蓋もない」ことを敢えて言うところに「正義」があるのであって、常識はずれのベロベロバーをする人間として描いてはいけないんだ。

それとは別に、志村喬と満男の出会いが泣ける。

[映画] 『第7作 男はつらいよ 奮闘篇 HDリマスター版 [DVD]』

ミヤコ蝶々扮する母親にいい年齢して独身であることを指摘され、沼津で知り合った「頭の薄い(知恵遅れの意)」女の子と結婚しようと試みる寅さんの巻。

知恵遅れをマドンナにするという大胆な試みは評価するが、知恵遅れである必然性がさほど感じられない設定の甘さが目立つ。なぜ沼津から青森に行くのに柴又に寄るのか。なぜ地元の教師(田中邦衛!!)が出てくるのか。それにしても、青森弁が聞き取れなさは異常。

それにしても今回は、満男の自然な演技が素晴らしい!! とらや一家が喧嘩してるのに一人でぐるぐる回ってたり、電車のおもちゃをさくらにぶつけそうになったり、演技してるおばちゃんの袖を引っ張った挙句、アドリブを強要したりしている。

あと、ここ数作で寅さんが筆まめなのことが分かってきた。字はヘタクソだけど。

[映画] 『第6作 男はつらいよ 純情篇 HDリマスター版 [DVD]』

まるっきりダメ。マドンナが死んでる。亭主持ちのマドンナってあり得ないよ。寅さんだってそのくらいの分別はありそうなものを。それに、江戸川の舟遊びから帰ってきて「わたし江戸川に行ったことない」とか意味不明なことを言ってるのはどうなんだ。頭大丈夫だろうか。

それから、せっかくの宮本信子さんや森繁も死んでる。一方的に寅さんがしゃべっちゃダメだろ。

が、いいところもある。たとえば、タコ社長と寅さんが話しているときに、タコ社長の子供が邪魔をするシーン。ああいう自然なやり取りが本シリーズの味だと思う。

ただ、そういう自然さは、今回のマドンナのような「いかにも映画的な演技」とは合わないので、逆になんだか居心地が悪いことになってしまう。

博の独立が描かれる回なので見ておくべき回ではあるのだけれど。

[本] 『インターネットが死ぬ日 』

うーん、因果関係があるのかなあ。

[映画] 『チャイナタウン 製作25周年記念版 [DVD]』

脚本の本に名作と書いてあったので見てみた。

鼻が痛そう。

[映画] 『ドリームキャッチャー [DVD]』

スティーブン・キングの詰め合わせ。ボンクラ的には楽しかった。

が、人物描写が雑なので、誰が主役なのか分かりにくいし、感情移入もしにくいので、淡々と見てしまうかなあ。

[映画] 『第5作 男はつらいよ 望郷篇 HDリマスター [DVD]』

「油にまみれて汗水垂らして働く」ことが一貫したテーマになっており、些細な設定が後にうまくつながっているので、物語として破綻がなく、安心して見られる。

カタギの仕事に就く/就かないの境界線が「庶民性」であることを確信するような回だった。

それから、ドラマ版のさくら(長山藍子)、おばちゃん(杉山とく子)、博(井川比佐志)が出演しているのがおもしろい。新旧さくらの対話シーンが用意されていたり、川比佐志に向かって寅さんが「博に似ている」と言ったり、ドラマ版を見ているからこその楽しみ方が味わえる。

[映画] 『第4作 新・男はつらいよ HDリマスター版 [DVD]』

超駄作。

何がダメなのか考えてみるんだけど、まずは4つの条件の1つである日本の名所が出てこないことが致命的だと思う(名古屋の競馬場とラストの田舎風景だけ)。それからマドンナの背景が希薄すぎること。意味のない父親の死とか、なぜかくるまやに居候してるとか、とってつけたような彼氏の登場とか。マドンナの幼稚園に勝手に入る寅さんとか危険すぎて見てられない。それから、単なる犯罪に巻き込まれるだけの胸糞悪いハワイのくだり。

監督が山田洋次じゃないからかなあ。圧倒的にダメな回だわ。気分が悪い。

[映画] 『シャーロック・ホームズ』

嫁が見ているのを横で見てたんだけど、思いのほか良かった!! 予告編だと単なる頭の弱いアクション映画かと思ってたけど、いい感じの古い街並みの描写あり、アイアンマン的な肉体美もあり、気の利いたユーモアもあり、軽い腐女子感もあり、それでいて割と原作っぽい感じもあり、とよくできてる。ただ、いかにもCGな背景はもっと考えてもいいかもなぁ。

[映画] 『(500)日のサマー [DVD]』

バカップルの圧倒的なウザさとキュンキュンしちゃうあの感じがうまく表現されてて死にたくなる。お話的には、で、何?って感じ。まあ、恋愛ものってそういうもんかもしれませんね。

あと、音楽の好き嫌いをあーだこーだ言うだけのカップルは絶対うまくいかない説を提唱したい。音楽以外の何か(ここでは映画「卒業」)を2人の物語に挟まないと、なかなか深みが出てこないんだなぁ。

[映画] 『第3作 男はつらいよ フーテンの寅 HDリマスター版 [DVD]』

叔父ちゃん叔母ちゃんの旅行先の旅館で番頭をしていた寅さん、という珍しい展開の本作。いつものくるまやの面子に代わって、旅館のメンバが寅さんにツッコミを入れる形になっている。この形をとることで、寅さんが全国どこでも「いつも通り」だということがよく分かるようになっている。

また、本作では、寅さんが実は弱いということが判明する。庭で博に殴られ、若者のナイフを見てはビビる。威勢はいいけど、身体は弱いみたいだ。

難点といえば、無理な展開が多々ある。たとえば、知らないテキ屋の娘の芸者が借金のカタに妾に行く、というすぐには理解できない設定をいきなり持って来るのは反則だと思う。

[映画] 『第2作 続・男はつらいよ HDリマスター [DVD]』

これはテレビドラマ版の焼き直しと言えるでしょう。チェロ奏者(加藤剛)が医者(山崎努)になったくらいで、あとの設定はほぼ同じ。

決定的に違うのは、寅さんの母親役のミヤコ蝶々。これが素晴らしい。あの母にしてこの子あり、というくらいのパワフルな母ちゃん。2人の喧嘩が凄まじい。これを「男はつらいよ エピソード2/ミヤコ蝶々の攻撃」と呼びたいね。

[本] 『男はつらいよ パーフェクト・ガイド ~寅次郎 全部見せます』

ことあるごとに寅さんの話をするんですが、あまり反応が返ってきません。国民的映画じゃなかったのかよ!! まあいいや。パーフェクト・ガイド買いました。なんとなく「いいなあ」と思っていたものが言葉になっているので、気持ちがいいです。

特に、立川志らく師匠の「寅の進化は日本独特の微妙な変化だ。」が絶品。マンネリではなく「寅さんの進化」が「男はつらいよ」の魅力だと言っています。軽くまとめてみます。

「7作目まではヤクザ。8作目で志村喬から人間の生活を教わりヤクザの匂いがなくなっていく。11、15作目でリリーと大人の恋愛を経験し、18作目で恋する人に死なれて言葉にならない哲学を得る。20作目で恋愛指南役になり、26はマドンナを娘のように見守る。29、32作目で燃えるような恋を経験し、その後は満男の恋を応援する立場に移行。40作目で自分の哲学を言葉で表し、42作目では満男の彼女(後藤久美子)の叔父に嫌味を言われても、喧嘩をせずに大人の対応をする。ラスト48作目ではリリーに最高の色男のセリフを言い放つ。」

是非、原文を読んでいただきたい。

それから、インタビューや解説を読んでいくうちに、「男はつらいよ」の魅力は4点にまとめられるのではないかと思いました。

  1. パターン(マンネリ)ではなくパターン・ランゲージが形成されている
  2. 昭和の名優・美女がたくさん登場する
  3. 毎回、日本の名所が紹介される
  4. 働くことと働かないことの狭間(a.k.a. 庶民性)が描かれている

(4) については説明が必要かもしれません。

「男はつらいよ」は日本の庶民の生活が描かれているとよく言われます。山田洋次監督も「日本人の暮らしのモデル」がそこにあると言っています。しかし、「ヤクザな腹違いの兄貴のいる叔父の団子屋」が果たして妥当なモデルなのかというと、そんなわけはないと思うんです。

では何が「日本人の庶民のモデル」なのか。それは、「生活のためには働かなければいけないが、できれば働きたくない」と思う気持ちだと思います。前者の象徴として、「くるまや」、「朝日印刷所(共栄印刷)」、そして「さくら」が配置されている。そして、その対となるのが「寅さん」です。厳密には寅さんは働いているんですが、カタギではない。

その対比にこそ「庶民性」があるんです。くるまやの間取りや人間関係の濃密さはまた別の話。そちらは、言い換えれば、単なるノスタルジーに過ぎないと思います。

あと、佐藤蛾次郎氏の

どんなシーンもおろそかにせず「自然」に、というのが山田演出

という発言にも注目しました。

不自然な場面を自然な演技でやるからいいんです。演技の側にリアリティラインが引かれている。その結果として、「生き生き」としたものになっているんですね。

[映画] 『時をかける少女 [DVD]』

全体的にひどすぎるなあ。特に会話部分がひどい。不自然極まりないよ。アニメ版が傑作だということが改めて分かる内容。

だが、尾美としのり氏が今とまったく同じなのがとてつもなく面白い。

[映画] 『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』

映画「スター・ウォーズ」一挙放送を見てるんだけど、これは初見だったのでメモしとく。とにかく字幕の「スカぴょん」が無いわあ。公式が病気(悪い意味で)ってやつだわ。

続くアニメは見てないけど、このままだとEP3に続かないので、アソーカの最後が気になるなあ。ジェダイ聖堂の公文書館における警護任務中にアナキンにやられてしまうって感じなんだろうか。

[映画] 『ファンボーイズ [DVD]』

ある目的のためにスカイウォーカーランチに侵入して、公開前のファントムメナスのフィルムを盗もうというもの。

ハングオーバー』と同じ構成だなあと思って見てた。あるいは『木更津キャッツアイ』。

データベースを使ったオタク的な会話に「内輪ウケ」感を持たないスターウォーズファンならば、すんげー楽しめるかもしれないなあ(スタートレックファンは見ない方がいいかもしれない!!)。レイア姫とかダース・モールがでてるのが凄い!!

SW関係ないところでは、便座にハムとかクソわろた。

SW関係のところでは、ジャー・ジャー・ビンクスのタトゥーに吹いた(あんなの絶対あとで後悔するよ!!)。

あと、Numb3rsにもでてる人が主役だった。

[映画] ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

町山さんのトークショーがあるというので行ってきた。渋谷シネセゾン。

映画はクソおもしろかったですよ。あとに何も残らないけどな!!

トークショーで町山さんが言ってたけど、レスリー・チョー役(トランクからビヨーンでアチョーのひとだ!!)のひとはIQ 150の医者らしい。

[映画] 『テレビドラマ版「男はつらいよ」 [DVD]』

俺はこれを『男はつらいよ the origin』と呼ぶね。

「男はつらいよ」の歴史をWikipediaから引用しておくと、

1968年 - 1969 年に、フジテレビが制作・放送したテレビドラマが最初である。このテレビ版のヒット、最終回で寅次郎がハブを取りに行こうとして、逆にハブにやられ、毒が回り死んだと言う結末が視聴者から多数の抗議が殺到して、映画化につながった。

なのである。

本DVDには、寅さんがハブにやられる最終回と、第1回目が収録されている。
その他の回はテープが紛失しているらしい。

よほどの好事家でない限りは特に見なくてもいい内容だけど、怒涛のホラー展開の最終回だけは見ておいて損はない。寅さんの訃報を聞いたさくら(長山藍子)が恐すぎる(夫が精神安定剤を処方するのだ!!)。これは別の意味で抗議が殺到するよッ!!

さくらはやっぱり倍賞千恵子だよねえ。

[映画] 『男はつらいよ the First』

とのことなので、見てみた。

パターン・ランゲージ化する前の寅さんなので、いたるところが荒々しい。だが、それがいい。まずは、次男であることにビックリ(いや、まあ、寅「次」郎なんだけどね)。そして、寅さんが打たれ弱くて吹いた(これから強くなるんだなあ)。

それにしても、さくらのお兄ちゃん好きの根源は何だろうなあ。唯一の肉親だからかなあ。そこは理屈を超えたものがありますな。

さて、次はTVドラマ版を観よう。

[本] 『ハイスクールU.S.A. 』

こないだ「ときめきサイエンス」を見て、ジョン・ヒューズ監督について調べてたら、この本が検索で出てきた。いやマジ凄い。学園映画に見られるスクールカーストがアメリカ社会と密接につながっていることを、時代別、テーマ別に緻密に検証している良書!! これは現代アメリカ社会の教科書といってもいいくらいだッ!!

俺も『アメリカン・グラフィティ』から勉強し直します!!

[映画] 『レクイエム・フォー・ドリーム デラックス版 [DVD]』

「いかにもかっこよさげな映像」を描いているだけかなあ。

[映画] 『銀河ヒッチハイク・ガイド [DVD]』

42のやつ。

んー、つまんなくね?

[本] 『悪党の金言 (集英社新書 475B)』

水木サンの『妖怪と歩く』を書いた著者に興味を持ったので読んでみた。いやあ、本気のインタビューは面白いなあ。人選もいい。内田樹さんが何者なのか初めて知ったよ。溝口敦さんのむちゃくちゃな経歴も凄い(あ、山口組経営学の人か)。

あと、みんな幼少の頃に本をたくさん読んでいるのが印象に残ったなあ。

[映画] SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー傷だらけのライム

俺たちのバルト9にて。

SR1と構造が同じ過ぎてどうしたもんかなあ。男女の違いはよく描けている(脅威の相手:先輩→年下、学生時代の充実度:非充実→充実、対象年齢:20歳前後→25歳前後)けど、それだけのような気もする。むしろ、SR1であれほど大切だったラップ(他に選択肢のない人生唯一の代物)が、コンニャクやら借金やらの日常を越える強度になってない(単なる寄り道や思い出作りになってる)のが致命的。ふつーに日常のコンニャクへと戻ってきちゃうんだ。

笑えるところも泣けるところもそれぞれちゃんとあるけれど(ウグイス嬢のラップは最高!!)、号泣メーンとはほど遠いかなあ。

平成の寅さんを標榜しているらしいので、ある程度数を重ねて、北関東を制覇したときに改めて評価できる作品なのかもしれないけど。

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