Archive of posts from 2004-10
— [映画] 『嗤う伊右衛門 [DVD]』原作が複雑すぎるので、それをそのまま切り取るとエラいことになるのはすぐに分かる。で、どう切り取ったかというと、副題に「Eternal Love」と付いてることからも分かるように、伊右衛門とお岩、2人の愛を中心に据えることにしたようだ。
まずは伊右衛門。伊右衛門は無口である。なにせ今まで「嗤った」ことがないのだから。そんな無骨者の外見だけで、その愛とやらを伝えることが果たして出来るのだろうか。たとえば冒頭、お岩に「すまない」と言う。その「すまない」の意味するところが全く描かれていない。これでは興の欠片もないじゃないか。画で伝えられないなら、原作の地の文も、役者の言葉に変えたほうが良かったんじゃないか。
次にお岩こと小雪。これが凄い。ハマり役。提灯をブチ壊しながら狂乱する様は圧巻の一言。すばらしい。ただ、これまた冒頭、又市との対面のシーンでのお岩の外見が頂けない。あまりにキレイ過ぎるのだ。婿をとるかとらないかという重要なシーンなのに、ちょっと軽かったように思う(原作のセリフそのまんまだし)。まあ、元が美人だからどうしようもないと思うんだけどさー。
結局、2人の愛を語りきれず、振り幅が大きければ大きいほどその価値は同一化してしまう、程度になっちゃってたんじゃないかな。お岩を斬るシーン直前の伊右衛門のセリフなんかその典型。
あと、細かいところを言うと、又市のストーリーがずたずたになっていた。ありゃないよなあ。組み立て方が悪い。伊東役の椎名さんの演技は良かったけど、キャラのバックグラウンドがこれまた描かれて無くて、これまた軽かった。残念。
- 原作: 『嗤う伊右衛門 (角川文庫 き 26-1)』
昨晩観て、大興奮して、mixi日記に「最高」と記入して、寝て、起きて、改めて考えるんだけど、やっぱ最高!!!! 今まで観たどんな映画よりも最高。何がいいって、ええーと、とにかく全部いいんだよぉぉぉぉ。いちいち考えてられっかよバカ。何をどうやっても一握りの人間しかアッチ側には行けないんだ。だけど、デブでもモテなくてもイジめられてても、なんだっていーけど、お前ら、アッチ側に行こうとするのが大事なんだよぉぉぉぉぉ。
それでも…
特に印象に残ったシーンを敢えて挙げるならば、ドラムの子が偽ロッカーとトランプしてるのを怒るデューイかな。ロックは真剣勝負なんだ。今度やったら親に手紙書くぞ。それまでの行動からするとちょっと意外だったもんだから、なんかグッと来ちゃった。
デューイって…
なんか『(タイトル不明:(4063368491)』のハゲのおっさんっぽくね?と思った。映画の冒頭シーンなんか特に、古谷実作品の匂いがする。子供に嫉妬しないところがハゲとは違うんだけどさー。
— [本] 『手帳200%活用ブック』もはや手帳なんかにはこれっぽっちも興味はないんだけど、こういう本はついつい読んでしまう。予定管理なんてそのひとのライフスタイルや認識感覚(というか何というか)に合わせるべきものであって、他人のそれなんて 1mm も参考にならんと思うんだよねー。だけど、その裏にあるその人の姿勢は単純に見てて楽しいのだなあ。
日本能率協会マネジメントセンターさんのサイトは、こちら。
大田垣晴子さんの顔って、初めてみたよ。
あと、冒頭のインタビューで糸井氏が、空欄に何かを埋める仕事よりも白紙に何かを書く仕事のほうが儲かる、というようなことを言ってて、へーって思った。
— [本] 『コンピュータ翻訳&ローカライズ完全ガイド (イカロス・ムック)』カタログなのか記事なのかよく分からないレイアウトでそーとー読みにくいんだが、内容はそれなりにまとも(だと思う)。ソフトウェア業界における翻訳者の立ち位置や注意事項が、同業者、発注者、両方の視点から書かれてあって分かりやすい。こういう本は他にあまり見かけないもんだから、かなり貴重なんじゃないだろうか。個人的に、隣の島のひとはこういうことをやってるんだーという感じで、大変面白く読めた。
あと、受け売りで「入力するスペースはすべて半角」に設定した。ATOKの場合、
プロパティ > 入力・変換 > 入力補助 > スペースキーで入力する空白文字
で設定できる。
— [映画] 『ホーンテッドマンション 特別版 [DVD]』姪たちがギャーギャーゆってたので見てみた。
これっぽっちも面白くないんだけど、
寝ないで全部見れた。偉い。
召し使いと子供たちの会話のシーンがカットされたようだけど、
かなり重要なシーンだよこれ。なんでカットされたのかよく分からない。
特典映像のNG集を「ジャッキー映画かよ」と思いながら見た。
ホーンテッドマンションというと
ペナルティのネタを思い出すなあ。
— [本] 『BECK(20) (KCデラックス)』1巻から20巻まで一気に読んでしまったよ。面白かったー。こういう話って主人公が成長しきったらそこで終了って感じになるのが常なんだけど、これは複数の話が走るようになってて、決して単調な道じゃないのよね。主人公の心の幅がよく見える。画を通して音が伝わっていくる。いやー感動しちゃったよ。少なくとも世の中のキレイなところだけ見せる『NANA』みたいなバンド漫画とは全然違うねー(そういう非現実的なのが『NANA』のウリだと思うのでそれはそれでOK)。あと、プロレスや三国志の話が随所にちりばめられてて、それがまた面白い。
— [映画] 『ミスティック・リバー 特別版 〈2枚組〉 [DVD]』役者の演技は素晴らしいけど、それだけ。謎っぽいものは単調だし、問題っぽいものはそれほど問題じゃないし、なのに、みんないちいち謎めき系でウザい。ラストシーンで、美空ひばり『川の流れのように』が流れたら壮大なラストで良かったんじゃね?と興ざめなことを思ったりした。
Amazonのレビュー読んだら、政治色うんぬん言ってるひともいたけど、はぁ?別にーどーでもいいやー。
— [本] 『男道コ-チ屋稼業』不愉快だなー(最高の誉め言葉!)。改札を全裸で通るとか、辻ちゃんに会いたいとか、リングス前田道場激励とか。読み終わったあとに目眩がしたので、このまま闇に葬るよ!!!!
思えばロマンポルシェ。を初めてみたのは、紅白歌合戦が終わり、年明け直後のスカパーだった。ぶったまげたね。なにあのキモいのー。そっこーAmazonで V-H-S! V-H-S! を注文。ビル・ロビンソンとか出てるし!頭悪ィ!
あー最低な正月だったなあ。
でも、今でもブロスの連載は欠かさず読んでますから!
名言があったのでメモ
— [本] 『タモリのTOKYO坂道美学入門』ドスト・F・不二雄スキー
『TOKYO 1週間』なんて読むわけがなく、これが初めて触れるタモさんの文章。最初に書かれた短い文章がとてつもなく良いので是非読むべし。よくいいともで言ってる、幼稚園に入らなかった話も載ってる。
内容はというと、都内の坂の写真とそれにまつわるタモさんの話、それと付近の散歩コースなんかが載った淡々としたもの。ぼくも淡々とページをめくっていくんだが、読み終わったあとになんつーか、なともユルい風が吹き抜けていった。
散歩好き、坂好き、タモさん好きにはタマらん。
— [本] 『ハーバードからの贈り物 (HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)』たぶんdannさんとこで見たと思うんだけど、探せないのでリンクはなし(RSS早く設置してくださいよォ)。
本書は、ハーバード・ビジネススクールの教授が学生に贈ったお話を集めたものだ。15人の教授の、15篇のエッセイが載っている。すべてが教授自身の体験した、教科書に載っていない、生身の声。短いながらも非常に濃いエッセンスがつまっている。
人にものを伝えるといいながら、単に「言う」だけの人がなんと多いことか。「伝える」というなら、ここに出てくる教授たちのように話をしなきゃいけないんじゃないか? 人生はデコボコしてるから、誰かが引っかかってくれるんじゃないか? 体よくイイところだけ出した”お話”なんかに誰が興味持つかよ!
というわけで、ぼくが特にイイなーと思ったのは以下の4つ(もちろんその他もいい話だよ!)
- ラシュモア山での問い(トーマス・J・デロング)
- 剥製の鳥(ジェフリー・F・レイポート)
- まずい食事と真実(スティーヴン・P・カウフマン)
- サラの物語(H・ケント・ボウエン)
ぜひ読んでください。
— [映画] 『幕末太陽傳 [DVD]』主役のフランキー堺が凄いとの評判を聞いた。それ以外、何の情報も得ていない。まさか白黒だったとは……。石原裕次郎、南田洋子(は長門の嫁さん♪)、岡田真澄などが出演。菅井きんがいぢわる婆さんっぽくてステキ。昔から婆さんだったんだなあ。
さて、内容はといえば、病身の幕末町人が飄々と立ち回る話である。
それをフランキー堺が見事に演じきる。
小さいエピソードがいくつも連なっていて、
ひとつひとつが面白い。
だが、それだけじゃあ物足りない。
一体、これは何の話だったのか。疑問が残る。
見終わった後、感想や評論などをいくつか読んだ。
主人公は監督である川島雄三を反映しているのだそうだ。
……ううん、そこまで追うのはシンドイなあ。
もちっと奥の深い話なんだろうなあというところで深追いは禁止しとく。
とりあえず、Palmに入れてる「観たい映画リスト」がひとつ消化されたので良しとしよう。
実在する若きチェスの天才を、かつての天才ボビー・フィッシャーになぞらえながら描いた作品。モーフィアス(本物)とジェダイマスター(に相当する人)が若きルーク(に相当する主人公)に様々なことを伝える話と言えば分かりやすいだろうか。ルークは教えに従いながらも、内なる葛藤に悩まされる。勝つことがそれほど大事なことなのか。たかがゲームじゃないか。だけど負けるのは怖い。ゲームなのに。そこに父親と子供との関係も描かれている。ストーリーは至ってシンプル。教訓めいたものはあまりない(あるけど当たり前なことばかり)。
ジェダイになりかけたその時、腕を斬られるルーク。彼はダークサイドに落ちることなく、見事復活を果たす。チェスのシーンはさながらライト・セイバーでの一騎打ちだ。
— [本] 『プログラマを笑え!』アマゾンに表紙が無いのが非常に残念である。
流れるような爽快な文章だもんで、帰りの電車の中で一気に読んでしまったよ。面白かったです。最近、「ッんなわけねーよ!」みたいな文章ばかり読んでいるせいか、「そう!そうそう!」と思える本がこんなにありがたいものだとは思いませんでした。心に栄養大事。
— [本] 『加速成功 』目標管理をしっかりせーよとか、言うだけ番長じゃなくて行動しろよとか、有能な部分だけやれよとか、金持ちを見習えよとか、多面的に物事を捕らえよとか、そんな感じ。すべて既存のビジネス本のパクりだから何ひとつ間違ったことは書いてないと思うんだけどね、非常に胡散臭い。この本を絶賛するひとたちすべてが胡散臭いよ。みんなグルになって、おれを騙そうとしてんじゃねーかな(考えすぎ)。氏のサイトを見たら、ますます胡散臭いと思った。胡散臭くても金を儲けられるんなら別に構わないという考えもあるけどさー。
— [映画] スウィングガールズ- 最高ずー。**
すべてが想像通り。ぴっちり型にはまった様式美であるな。でもそれでいいのだと思う。学校物語とは、みんながつながっているんだ、共通認識を持っているんだ、ということを再認識させてくれるだけで価値があると思う。
ただし、その再認識方法はひとそれぞれだ。その認識を懐かしいと感じるひともいれば、淡い想いを抱くだけのひともいるだろう。中には「けっ」と想うひともいるかもしれない。それはそのひとの「青春観」に依存する。私はこのことを「青春のドリフト効果」と呼んでいる’嘘。さっき決めた’。
学校、特に高校時代とは、人生の急カーブなのだ。中学時代からそのまま直線が続くと思い、曲がりきれなくてコースアウトする人もいれば、曲がるのが怖くってちんたら走る奴もいる。壁にガンガンぶちあたりながら進む奴だっているだろう。いろんな人間はいるけれど、俺は、ドリフトする奴がいちばんカッコいいと思う。スピードを落とさずに、颯爽と駆け抜けていく。いちばんキレイな急カーブの抜け方だ。
ビッグバンドにしろシンクロにしろロボコンにしろ、それらはすべて「ドリフト」なんだ。多くの作品は、今まで「ちんたら走ってた奴」がいつの間にか「ドリフト」するところにカタルシスがある。
観客はみな、一度は曲がったことのあるあの急カーブを心の中に思い出しながら、うまく曲がれなかったあの日を悔やむのだ。「今の私ならどうやって曲がるだろうか」そう自問自答するのだ。だけど、あの急カーブはもう表れない。
関口萌えじゃないなあ。
ぼくは、ベース担当: 水田芙美子萌え!!
あと、豊島由佳梨のドラムスが超すごい。
劇場で見てもアサマシできるよ。
その監督作品にリンクを張るのだ。どう?