Archive of posts from 2005-12
— [本] 『東京タワー 』泣く泣くと評判のようですが、別に泣きませんでした。ぼくの母親も若松出身で、今自分が自由が丘に住んでるもんだから(九品仏の公衆トイレだってよ!)、なんか親しみを感じながら読みましたけども、オカンよりも、おばあちゃんの死のところでウルっときましたね。オカンの話は30歳を越えたら分かるのかもしれないなあとか、漠然と思いましたが、どんなもんでしょうね。
だもんで、全体的に前半のほうが印象に残ってて、子供という存在のダメっぷりが非常に上手く描かれた本だったなーと思います。特に小学生のダメっぷりが秀逸。と、同時に、話相手に悪いと思ってやめた、という妙な遠慮感がリアルだなーと。そんなのを話として書いている人を初めて見たかもしれない。
あとは、オカンの芸は素晴らしいってのと、人のつながりはいいねーってのと、親は親として生まれてくるんじゃないんだーって割と当たり前のことを考えたり、オカンの死後すぐにアイドルタレントの評論を書かなければならない仕事になんともいえない複雑な印象を受けたり。
これは、人生で一度だけ書ける類の書籍ですね。いずれ自分も、同じような境遇になるんだと思います。その前に、これを読んでいろいろと心の準備をしとくといいのかもしれない。
いま、実家に帰ってきてて、これを読んだからといって、あからさまに親孝行をするつもりはありませんけども、親の死とかなんとか、いずれは考えないとなーと思いながら、普段通りの会話をしたりしています。
— [本] 『進化しすぎた脳 』2005年も終わりに近づいていますが、今頃になって、「ベスト・オブ・今年の俺のなかで良かった本」が表れました。それが、コレ。(とはいえ、去年の本だけども)
最近は脳関係の本をだらだらと読んでいるわけですが、その中ではダントツに良かった。脳という分野においては、解明されてないことがまだまだ多いわけで、専門家じゃないんだったらコレくらいで十分なんじゃねーの?っていうのが、しっかり網羅してある感じ。もちろん、コレだけじゃ物足りないんだけどね、そのあたりは『脳のなかの幽霊、ふたたび 見えてきた心のしくみ』とか、そのあたりをあたればいいわけで。話題の『Mind Hacks』を読むよりも、まず先にこっちを読むといいと思ったよ。
— [映画] 『テイキング・ライブス ディレクターズカット 特別版 [DVD]』こないだ高田純二さんが絶賛してたので観てみたんだが、なんだかなあ。あんまり面白くなかった。作り手が描きたいところと、観客が見たいところが違う感じなんじゃねーかなあ。もっと、犯罪面の詳細とアンジェリーナ・ジョリーの内面(特にクライマックス後の)を描かないとダメなんじゃないかと思うね。
ジャック・バウアーも出てたりするけど、まあ、出てるって程度で。
— [本] 『ブスの瞳に恋してる』感動した。思わず泣いちゃったよ。
大島の指毛に、大島の涙に、大島の恥じらいに、そして、おさむさんのお笑いへの真摯な姿勢に。あと、漫(はーと)画太郎の脚色に!(今週は屁チェックの回だった)
すげーなあ。
— [本] 『NANA―ナナ― 14 (りぼんマスコットコミックス)』バンギャの描写が笑える。
— [本] 『脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)』山形さんがどっかでレビュー書いてて(なんかのムック)それ読んで購入してみた。
やべーマジおもしろいッ!……けど、ちょっと難しい。ぼくはだいぶ飛ばしながら読んでしまいましたけど、「赤い色が何故「赤く」見えるのか教えてください」なんかに通じるお話もあったりして、こーゆーのに興味があれば、絶対楽しいと思う。ぼくもまたあとから読み直してみるっす。
— [本] 『内省と遡行 (講談社学術文庫 826)』270ページまではどーでもいいことなので飛ばす。で、271ページからアレグザンダーのお話。
「自然都市」と「人工都市」との違いは、内部構造の違いにある。具体的には、前者はセミ・ラティスの組織をもっており、後者はツリーの組織をもっている(「都市はツリーではない」)。
その違いは、構造の複雑さの違いである。人間は複雑さを把握のために、セミ・ラティス構造のものをシンプルなツリー構造に還元する傾向がある。つまり、自然都市の構造の複雑さを欠いたものが人工都市である。
要素の総和が全体にならない。
以上がとりあえずのまとめ。以上のことはつまりは、集合を構成する各ユニットの組み合わせを単純化しちゃうと、本来の力がなくなっちゃうよーということなんだな。
これを後のソフトウエア・パターンの人たちは、「再利用可能なコンポーネントをどんなに用意したって、それをどんなに組み合わせたって、システムとしては成立しない」ってところまで持っていった。あのWard Canninghamが『達人プログラマ』の序文でQWANという言葉を使っているので電波っぽいとは思いつつも言っちゃうけれど、要素の総和に欠けるものは、このQWAN(Quality Without A Name)と呼ばれるものなんだなぁー。
とりあえずアレグザンダーについてはこれくらいでいいかも。
— [本] 『でかいプレゼン 高橋メソッドの本』サインもらう前に急いで読んだ。大阪でゲラを読ませていただいたときは(あとがきにあるゲラhackのこと)、
- フォントの種類
- 接続詞を抜く
という2点に驚愕してホテルのラウンジでフォント買うべしッ!うおーッ!接続詞ッ!とかゆってたんだが、本という形でまとまって読むと、メソッドの解説よりも、なんだか全体的に高橋さんの人柄が出ていて良いなーと思ったりしたよ。
実際に高橋さんに会って話したことのある人は分かると思うんだけど、あんなに魂のキレイな人は他にはいませんってばマジに。そんな人柄の分かる一冊だなー。
それはそうと、高橋メソッドはフォントが重要なんだよ!フォーンートー!つって相方に言ってたら、MORISAWA PASSPORT モリサワ パスポート−はどうよ?って言われた。
1年間52,500円(税込)で、どれでも選べて好きなだけ使える画期的なライセンスシステムです。
家庭で買うようなものかなあ、コレ。