[本] 『内省と遡行 (講談社学術文庫 826)』
270ページまではどーでもいいことなので飛ばす。で、271ページからアレグザンダーのお話。
「自然都市」と「人工都市」との違いは、内部構造の違いにある。具体的には、前者はセミ・ラティスの組織をもっており、後者はツリーの組織をもっている(「都市はツリーではない」)。
その違いは、構造の複雑さの違いである。人間は複雑さを把握のために、セミ・ラティス構造のものをシンプルなツリー構造に還元する傾向がある。つまり、自然都市の構造の複雑さを欠いたものが人工都市である。
要素の総和が全体にならない。
以上がとりあえずのまとめ。以上のことはつまりは、集合を構成する各ユニットの組み合わせを単純化しちゃうと、本来の力がなくなっちゃうよーということなんだな。
これを後のソフトウエア・パターンの人たちは、「再利用可能なコンポーネントをどんなに用意したって、それをどんなに組み合わせたって、システムとしては成立しない」ってところまで持っていった。あのWard Canninghamが『達人プログラマ』の序文でQWANという言葉を使っているので電波っぽいとは思いつつも言っちゃうけれど、要素の総和に欠けるものは、このQWAN(Quality Without A Name)と呼ばれるものなんだなぁー。
とりあえずアレグザンダーについてはこれくらいでいいかも。