Archive of posts from 2025-8

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[映画] カーテンコールの灯(原題:Ghostlight)

とある悲劇がきっかけで感情を失った男が、ひょんなことから地元の演劇サークルに参加することで、自分の感情と家族の絆を取り戻すという話。最初はバカにしていた演劇ワークショップも、自分の感情を素直に表せる場になってくる。とても地味。だが、とても良い。笑える場面もたくさんある。フランスの思想家トクヴィルは、アメリカにはアソシエーションや地域コミュニティが重要と分析した。そのことを明確に表していたように感じた。

[映画] アイム・スティル・ヒア

「入国審査」と同じく理不尽を描いた映画。突然父親が連れさられてしまい、残された母親と5人の子どもたちが父親の生死もわからないまま、その後も人生を生きていくという話。残された子どものひとりマルセロの回想録を元にした実話。

[映画] エデンの東

1955年公開。監督はエリア・カザン。原作はジョン・スタインベックの小説。ジェームズ・ディーン主演。

カインとアベルがモチーフらしいけど、双子という設定と、父親から受け入れられるのは片方だけという設定のみ継承している。テーマとしては、父親があまりに道徳的に高潔すぎると子どもは窮屈に感じる、っていう感じ。純粋培養されると現実の厳しさに打たれ弱くなる。また、言うことを聞かない子どもだから愛さない、みたいな条件付きの愛は人格破壊につながる。

[映画] 入国審査

スペインからやってきた男女2人がアメリカで厳しい入国審査を受ける、というだけの映画。予告編からは移民問題を扱ってそうな印象を受けたのだが、そういう感じではなかった。77分と短いので、大きな展開もなく終わる。ただ、肝となる入国審査のシーンは、他人事なのにこちらまで緊張したし、不安まで感じてしまった。さらには、質問できないことがこんなにもストレスなのか、ということを痛いほどわからせてくれた。

[映画] KNEECAP/ニーキャップ

何の情報も入れずに見たのだが、バチクソ良かった。とにかく音楽がかっこよすぎた。作品中のセリフを引用するならば、前時代の革命家のように武器を手にするのではなく、黒人に声を与えた「ヒップホップ」とアイルランド語という「弾丸」を使って戦う、みたいな感じ。とはいえ、描き方はオシャレで、ユーモアがふんだん散りばめられていて、劇場では何度も笑い声が起きていた。

あとから知ったのだが、KNEECAPは実在し、メンバーは本人たちが演じていたようだ(すごい!俳優かと思ってた)。とはいえ、ドキュメンタリーというわけではないらしい。ただし、《だいたい本当のエピソード》であり、《むしろ「え⁉」って思うようなヤバいシーンほど事実で、地味なシーンほど創作だったりします》だそうだ。

参考:『KNEECAP/ニーキャップ』監督が語る──アイルランド語でラップするヒップホップトリオKNEECAPから見えた言語の絶滅がもたらす弊害とは

あ、あと808が出てきたのは良かったな!ちょうど「ローランドの楽屋にて」が808の開発者である菊本忠男さんのインタビューの回だった。

[映画] ストレンジ・ダーリン

予告編の印象とは違い、時系列シャッフルで予想しなかったことが起きる系だった。おもしろかったー。ラストシーンの長回しが特によかった。エンドクレジットのあとのナレーションは何だったのか?

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