[映画] 家族を想うとき
『オールド・オーク』が公開されていることもあり、ケン・ローチ監督の『家族を想うとき』を観た。
主人公のリッキーは、宅配ドライバーの仕事を始める。それは「雇用」ではなく、個人事業主としての「契約」である。仕事をするには配達用の車が必要になるため、訪問介護の仕事をしている妻アビーの車を売ることになる。2人には、思春期の息子セブと、まだ幼い娘ライザ・ジェーンがいる。夫婦はそれぞれ忙しく働いているが、家族の生活は少しずつ壊れていく。
個人事業主という仕組み自体が悪いわけではない。仕事は大変だが、がんばれば稼げる仕組みにはなっている。問題は、仕事に余裕がなさすぎることだ。本人が健康で、家族にも何の問題もなく、毎日予定どおりに働けるなら、うまくいくかもしれない。だが、実際の生活はそんなに順調なことばかりではない。子どもが問題を起こしたり、仕事で思わぬトラブルが起きたりする。少しでもピースが外れると、もう立て直すことができない。少しでもバランスを崩すと、家族全体が崩壊に追い込まれてしまう。
家族のことを想っているからこそ、仕事を休まざるを得なくなる。その結果、仕事がうまくいかず、借金を抱え、家族はさらに追い詰められていく。
そして、そのままラストを迎える。何もかも壊れかけていても、また働きに出るしかない。救いがなさすぎる。