[本] How to Change the World 〜チェンジ・マネジメント3.0〜

電子献本していただきました。ありがとうございます。

内容は大きく4つに分けられていて、自分の言葉でまとめると「システム理論・アーキテクチャによる制約・コミュニケーション重要」という感じかなあ。

「システム理論」のところはPDCAを関連付けているのが非常にもやもやする(OODAのほうがいいのではないか?)。でも、対象となる「マネージャー」にはウケがいいだろうし、このほうがうまくいくのかもしれない。

「アーキテクチャによる制約」については「振る舞い = f(人, 環境)」という式が参考になる。人ではなく環境を変えるというのは忘れがち。同じく環境である「インセンティブ」については、「振る舞い」と「成果」のインセンティブを分けているのが素晴らしいなあと思った。

よい結果に対する褒賞はよい振る舞いに対する褒賞とは異なることを覚えておこう。

ただ、その説明が少ないのが残念’もちろん『Management 3.0』で詳しく説明されているのだろう。’。引き合いに出されたダニエル・ピンクによると、事前に報酬を出すかどうか(If-Then式)はよくないみたい。でも、事後的には昇給なりなんなりしないと辞めちゃいそうだよねえ……。

「コミュニケーション重要」については、何度となく引用されている『Fearless Change』を読むとよさそう。「ラガード」が後戻りにつながるというのは参考になった。

残念なことに自分はマネージャーの仕事をしたことがないので、ここに書かれてあることが有効かどうかはわからないのだけど、最初に書かれてある「モヒート・メソッド」”アイデアをミックスすると良いアイデアが生み出せる”というのは、自分でも似たようなことを意識的にやってるので、すごく共感できた。

例えば、何か主張するときには、その根拠となった出典を明記するとかね。本書も79ページなのに「参考文献」が膨大にある。そういうのが充実している情報源はそれだけで価値があるように思う。

ただ、お酒飲まないから「モヒート・メソッド」って名前がいまいちピンとこないんだよなあ。これに限らず、全体的に例がいまいちなのが気になる。そのへんは文章が前にドライブしてない。つまんないギャグを挟むからかもしれないね(こういうのはいらない)。ここらへんは内容とは関係ないところだけど、読むときに気になっちゃうなあ。

でも、「マネジメント」について悩んでいる人が最初に手を出すにはいいと思う。500円だし。参考文献たくさん載ってるし。最高じゃないですか。