[映画] 『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実 [DVD]

ジャンルはドキュメンタリーだけど、わりと偏向的というか、扇動型なので、サラリと観るのがいいかもね。原因追求や犯人探しは真面目にやってない、というか、できないのでどうしたもんかね、やらないといけないと思うんだけど、って感じで終わる。

ただ、怪しいのは政府の規制緩和じゃねーのという描き方で始まる。冒頭でアイスランドの例を挙げてある。アメリカにおける規制緩和のはじまりは、81年のレーガン政権から。財務長官にメリルリンチ出身のドナルド・リーガンを登用。このあたりから金融業界と政府の関係が濃くなっていく。それまでは金融業界の年収は低かった(夜に副業をしないと家族を養えない人もいたくらい)。

証券会社出身の財務長官といえば、クリントン政権時代にゴールドマン・サックス出身のルービン。ブッシュ政権時代にヘンリー・ポールソンがいる。ちなみに、ルービンの後任のサマーズは、映画「フェイスブック」でハーバードの学長やってた人(双子を追い返す人ね)。Facbeook COOシェリル・サンドバーグの元上司でもある。

あとはFRBのグリーンスパン。ネオリベは全体的にやばい。これとロビーイングできる資金が結びついた結果が、金融危機。他にも御用経済学者や金融派生商品を開発した人たちも挙げられるが、そのへんは枝葉でしかない。

昔の数学者や物理学者は兵器を作ったものだが、今は金融商品というもっとひどい兵器を作っている、という味わい深い名言を誰かが言ってた。