プロダクトバックログの項目は「優先付け」するんじゃなくて「並び替える」

現在、新しい『Scrum Guide』を訳しています(現在レビュー待ち)。今回の変更で気になったのが、プロダクトバックログの項目を「優先付け(Prioritized)」するんじゃなくて、単に「並び替える(Ordered)」という点です。

詳しくは、世界の破壊者 Jim Cope による「Ordered Not Prioritized」に譲りますが、端的に言えば「優先順で並べることが、必ずしもROIや価値を最大化するわけではない」ということです。先の例を借りれば、どんなに優先度が高くてもサンタの画像は冬に表示することに価値があり、どんなに家の屋根が気になっていても最初から屋根を作れるわけはない、ということです。

プロダクトバックログは時間軸を伴う有機的な存在です。全体最適を考えて、柔軟に「並び替える」ことが成功の鍵となります。このあたりは、パターンとパターンランゲージの活用に近いと思います。

では、どうすればうまく「並び替える」ことができるのか。kkd師父からは「ストーリーマッピング」を使って2次元で考えるのが良いのではないかという指摘を受けました。実際、Jeff の CSPO 研修ではストーリーマッピングが使われていたそうです。あるいは、リスクや難易度で並び替えるのもアリだと思います。先に難しいものを持ってくることで、早期に学習の機会が作れ、後半にベロシティを向上させることができます。あるいは、チームのタスクの種類が平準化するように並び替えるのもいいかもしれません。

ROIで「優先付け」してしまうと、POの責任だけが重くなってしまいますが、チーム全体で考えてみるところに意義があるんじゃないかと思います。

それから、『Scrum Guide』は今週中には先方に提出したいなーと思ってます。