[本] 『弓と禅

中埜先生の発言らしいので読んでみたけど、訳が本当にひどい。まあ、1956年のものみたいなので、仕方ないか。内容としては、日本人にとっては大したことじゃない。スターウォーズ的なところもあるので、現代の西洋人でも理解しやすそう。歴史的価値があるくらいかなあ。これのどこがパターンランゲージの理解に役立つんだろうか。謎だ。

それはそれとして、仏教ではなくその一派に過ぎない禅(宗)に、なぜそれほどまで注力するのか不思議で仕方なかったんだけど、本書でも述べられている通り、やはり鈴木大拙の本がきっかけなんだなあ。禅を「ZEN」と日本語的に発音することからもわかるように、禅の思想は日本経由で広まっているのね。

釈尊や達磨のもともとの思想に老子やなんかの中国の思想が混ざって、さらに日本独特の何かが融合したものが、ZEN。それを「禅」宗だから仏教も同じだろうと発想を逆回転させると、ダライ・ラマに意味不明なジョークを言うようになるんだろうなあ。

個人的には、禅を学ぶよりも、釈尊あるいは龍樹について書かれた本を読むのがいいんじゃないかと思ってる。あんまり詳しくないので、偉そうなことは言えないけど。