[映画] 『十三人の刺客 通常版 [DVD]』
日本映画はスーパー戦隊と仮面ライダー以外は観ないようにしているんだけど、これは評判いいので見てみたら、ヤベーじゃん!! スゲーじゃん!! やればできるじゃん!!
いいシーンはすべて稲垣吾郎が関係してる。すごいよ吾郎ちゃん。完璧だよ。最初の短い時間で彼のイカレ具合がつぶさにわかるようになっている。ここで観客は心を1つにする(うおー!! ヤッチまえ!!)。吾郎ちゃんは何かあると「おもしろい」と言ってニヤリと笑うのが最高なんだぁ。最初から最後まで最高。特に伊勢谷への小太刀のシーンは大傑作だ!! (それを台なしにしやがって、何だあのラストは!!)
主人公の役所広司は、そのような暴君っぷりを見せつけられて、これまた「笑う」んだ。武者震いをする。江戸時代末期になり、ながく戦もなく、実戦を経験した侍は少ない。つまり、武士というシステムそのものが崩壊に近づいているんだ。そのようななかで、武士という記号として「盲目的に主君に仕えること」よりも、1人の「武士であること」を選んで立ち上がる。ただ、役所広司の演技はあまり好きじゃないので、ボスにするのはなんだかなあ。
13人の侍のメンツもいい。まずは松方弘樹。いるだけで場面がピリっとするよねえ。そして殺陣が完璧すぎる。スタッフは気を使っただろうなあ。次に、沢村一樹。主役ではないがイケメンで、このポジションができる役者は貴重だよなあ。いいところに配置してあった。石垣佑磨と高岡蒼甫のイケメンのホモソーシャルもいいですね。近藤公園の爆破シーンもいいよなあ。血の色はアレだよね!!(先日みた「修羅雪姫」は血が朱色なんだよ)それから、何気に登場時間の多い波岡一喜も存在感のある演技でよかった。伊原剛志の浪人はカッコよかった。最後までとどめを刺せ!! っていうのがいいよねえ。こういう泥臭いのが戦場なんだ。そして、その弟子の窪田正孝。最後のカメラが横になるシーンが猛烈によかった。初めて人を斬ったというところからの心の成長もいい。って、誰かと思ったら、窪田くんは「ゲゲゲの女房」の池上遼一じゃないかあああああああ。おおおおおお。伊勢谷友介はラスト以外はよかった(ありゃなんだよマジで)。ギャグ担当なのもいいですな。山田孝之はもっと前に出てもよかったかなあ。ヴェネツィアに行ってたから主役級かと思ってたら、あまり出番もないし、キャラも立っていない。相棒の人(六角精児)と古田新太は……うーん、どうなんだろう。
相手方の市村正親はいいんだけど、役所広司との相性が悪いかなあ。そうだ。吾郎ちゃんの蹴鞠がココで効いてくるとは!!
本当に最低なのは2つだよなあ。牛……なんだあれ。伊勢谷のラスト……なんだあれ。
他にも気になるところは多々あるけれど、総合的に見て、これは傑作。吾郎ちゃん最高。本当に最高。
工藤栄一監督、片岡千恵蔵先生主演の作品も観ようと思った!!