[本] 『JavaからRubyへ

真の本文といわれる訳者あとがきを読んで、初めて角谷さんに会ったときのことを思い出した。「俺、今の会社辞めたらアジャイルやるんだ……」そう言って、渋谷のジョナサンで死亡フラグを立てていた。その言葉の意味するところが、ジョナサン・ジョースターであり、アジャイル言語Rubyであったことは、後の角谷さんの活躍を見れば明らかである。

本書で述べられていることと角谷さんの軌跡は、少なからず一致している(と感じる)。
訳者としてこれほど相応しい人物はいないのではないか。

翻訳レビューに参加させてもらったこともあり、早いうちから原稿を目にすることができたのだけど、正直、具体的な内容についてはよく理解できていない(共感できていない)。だけど、「From A To B」という図式は、自分も含め、すべての人にあてはまるものなのだ。近視眼的にAに固執するでもなく、熱狂的にBに移行するのでもなく、AからBへみんなで渡る橋を作るという作業は、ビジネスのあらゆる局面で遭遇する。それをいかにうまくやるか、あるいはいかにやらないか、そこらへんの判断基準は具体的な事例に学ぶのが手っ取り早い。その意味で、本書を参考にすることは非常に有用である。

こないだ実現性が分からないのにコミットメントなんかできないと書いたら、それは逆で、コミットすることで実現性が上がるのだとid:takahashimさんに言われた。
それに対してまったく反論がないわけでもないのだけど、「Rubyで実現できるかどうか」と悩んでいても何も始まらなくて、積極的にRubyを使うことで「できるかもしれない(俺ってばスゲー)」と思い始めることはまったくもって正しいと思う。政治的リスクのないところから、いち早く「パイロット」段階に持っていくことは十分に価値のあることだ。