[映画] 『チョコレート [DVD]』
Halle Berryがアカデミー賞優秀主演女優賞をとった作品。可愛いよー。
この作品は多様性を持っているので、何度でも楽しめると思う。恋愛ものとして見てもいいし、父子の葛藤みたいな点に注目してもいいし、人生ってファックだーとか思ってもいいし、社会的な問題を扱ったものだー示唆的だーとかなんとか見てもいい。
ただその多様性がゆえに、すべてが希薄になっている印象を受ける。「思い立ったが吉日」感たっぷりで、何かを決断するのにコマを裂いていないのが原因なのかもなあ。「あー」って頭に浮かんだ次のカットでは、もうそのことが終えていたりするのだよ(いきなり大きな買い物したり、クンニが省略されてたり[笑])。
でも反対の反対で、人生ってそんなもん(濃密な部分と希薄な部分の入れ替わり。時間は縮尺するのだ!)なのかなーと思えたりもするんだけど。そういうカット割りこそがリアルってやつなのかもしれない。時間ってベターって流れてねーもんなあ。
さて、Billy Bob Thorntonについて。
彼は男3人(爺、父、子)で住んでいる。これが何を意味するのかと言うと、「このままいったら俺は」の姿が爺で、「俺がもしあのとき」の姿が子なのだ(……と思っているんだけど、どうか)。
その両方がトリガーとなることで、自分を変えていけるようになった彼は、チョコレートアイスクリームという習慣はそのままに、ガソリンスタンドを買ったり(は?)、近所の黒人に頼みごとをしたり(黒人嫌いだったのに)、Michael Moore言うところの「俺が俺が人間が人を助けるわけない」のに、人を助けてみたりする。しかもすべて同じテンポで!!
映画みたいな劇的な変化なんて、おとずれやしないのだよ、ということがよく分かる(映画だけど)。
ラスト
Halle Berryが2度ほど「キー!」ってなるシーンがある。1度目はブチギレになるんだけど、2度目はチョコレートアイスを食いながら、何も言わず、ラストを向かえる。「まーそんなもんだわな」って、自分のなかで決着をつけたみたい。淡々と生きていくよ!っていうのが2人のテーマだと見たッ。
「淡々と○○するよ」というのはもっともっと今以上に流行ってもいいと思う。
タイトル
原題は『MONSTER’S BALL』。邦題は『チョコレート』。これだけでもハァ?なんだが、チョコレート食ってるのはデブガキだけじゃ。メインで出てくるのはチョコレートアイスクリームです。