[本] 『トヨタ式最強の経営』(柴田昌治、金田秀治)日本経済新聞社

かんばん方式っていうのはなーんだ?かんたん。生産方式でしょ?うん。いちおー正解なんだけど、それだと本質的なことは掴めないし、多くの企業が 同様の手法を取り入れた結果、かなりの確率で失敗していることの説明もできない。生産方式かつ、改善方式なんだよ。つまり、問題を顕在化するシステムでもあるんだ。いや、たしかに、それもある。あえてシステムを止めることで、問題点を浮き彫りにさせるっていうのは、すごーく出来たシステムだよね。

でも、それだけじゃない。いちばん重要なのは、「企業革新方式」であるという点だ。

この本にはこう書いてある。この仕組みから「常識はずれの自主的活動」が必然的に巻き起こされ、その結果生まれたアイデア、知恵を集大成して結実したものがトヨタ生産方式であると理解できる。つまり、問題点を顕在化するのみならず、more problem!! という風土さえも含めて初めて、かんばん方式っていうのが成り立つ、というわけらしい。

本書によれば、ハード的システムでは、何も変わらないんだと。それよりも人的ソフトが変わらない限り、どーしよーもないんだって。具体的には、関係や場の雰囲気、情報の共有などなど。それらを自然に培うことで、ハード的システムも、スペック以上の効果を表す。まあ、言われてみれば当然なんだけど、言われる前にやったのが、スゴいことらしい。